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 gdr_b04 2009/11/25 (Wed)

 優れた特殊防御とヒットポイント、そして試合展開を緩慢にする麻痺、眠りの状態異常。
 伸びきった時間の中で、相対的に充填時間を減らし連発されるソーラービーム。
 こうした待ちの戦いを得意とする草タイプにとって、戦術の根幹に位置するのがやどりぎのタネである。
 毎ターン相手のHPを八分の一ずつ奪うこの優秀なわざを、正に狙い撃ちする特性があるのだが。多くの草使いはそれを記憶の彼方に追いやっている。
「そんな……っ。まさか、ヘドロえきですか!?」
 エリカの驚愕は狙って引き出されたものだ。
 相手にダメージを与え、自分は回復するHP吸収技の、回復分のHPを逆に奪ってしまう特性。やどりぎのタネにとっては正しく鬼門である。
 しかし、通常やどりぎのタネを据えた戦術で想定するのは、それを含めた補助技を封じるちょうはつ、そして効果がない同じ草タイプと、みがわりだけ。
 本来最も警戒すべきヘドロえきが一切考慮されないのは、その特性の持ち主がメノクラゲ、そしてドククラゲのみだからだ。それは二匹のタイプに起因する。
 水と毒のタイプを併せ持つ。
 これらがカントーで草タイプを相手取る試合など、誰も想定しないだろう。
 カントーの多くの草ポケモンは、毒タイプを併せ持つことがほとんどだ。カントーの草タイプは草毒タイプであると言い切っても良い。
 草タイプが水タイプにとって相性が悪いのは子供でも知っている。それでもかち合ってしまう時は、サブタイプの技で押し切るのが一般的なのだが、毒に毒は効かない。
 つまりドククラゲは、草タイプを相手にした場合、ほぼ確実に手詰まりとなってしまうのだ。やどりぎのタネがどうこうの次元ではない。
 だからこそ、草タイプ使いはやどりぎのタネについて熟考する際、一度はヘドロえきの存在に触れ、そして実戦をこなす内に忘れていく。
 本来回復するはずの技でHPを減らし、苦しむ己のフシギソウに目を向けながら、同様にやどりぎのタネを植えつけられたことで苦しむドククラゲの鳴き声に思考をかき乱されながら、エリカは慌しく次の指示を出す。
 その指示は幼いころから研鑽を重ね、草タイプのジムリーダーに就いてからも日々磨いてきた経験による条件反射そのものだった。
 ジムリーダーの経験による条件反射。その指示が相当の錬度を持つ戦法から吐き出されたものであることに疑いはない。エリカははしたなくも唇を舐め、崩された精神の安定を取り戻さんとする。だがそれは適わないのだ。
 エリカが己の経験から弾き出したと自己判断したその指示は、水タイプ三匹で草ジムに挑むという、本物の想定外を相手取る場合においては、正しく悪手だった。

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